用語集
あ-お
インフォームド・コンセント
被験者の治験への参加を決定する際に、治験に関するあらゆる角度からの説明が充分なされた後に、被験者がこれを理解し、自由な意思によって治験への参加に同意し、書面によってそのことを確認すること。インフォームド・コンセントは、被験者と担当医師による署名と日付が記入された同意文書をもって証明される。
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か-こ
監査
治験により収集されたデータの信頼性を確保するため、治験がGCP省令、治験実施計画書、標準業務手順書等に従って実施されているか否かについて、製薬企業等によって指名された監査担当者が、独立の立場から検証を行う。
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さ-そ
ジェネリック
後発医薬品(後発品)のことで、医療機関で処方される薬のうち、先発医薬品の特許が切れた後、臨床試験などを省略して認可され、他の製薬メーカーから発売される、有効成分・品質・効き目が同じで、より安価の薬。
製造販売後調査(PMS)
新薬発売後に医薬品製造業者が行う調査で、日常診療下での医薬品の有効性、安全性の確認とともに、市販前(治験)では得られなかった医薬品の適正使用についての情報の収集、提供を目的として行われる、製造販売後の安全性監視のための調査。
症例登録
試験責任/分担医師が、候補となる被験者の適格性判断に必要な情報を電話やFAX、及びWEBを利用して登録センターに連絡し、登録センターが適格性を確認して当該臨床試験の被験者として登録する業務。
症例報告書(CRF:Case Report Form)
治験実施計画書において規定される、各被験者に関する全ての情報を記録するための記録様式。治験責任医師若しくは治験分担医師が原資料(カルテ等)を基に記入し、製薬企業等に報告することが義務付けられている。
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た-と
治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)
質の高い治験を適正かつ円滑に進めるために、治験責任医師の指導の下、医学的判断を伴わない治験業務(インフォームド・コンセントの取得補助、被験者のケア、治験に携わるチーム内の調整業務等)の支援を行う者。
治験実施計画書
プロトコールと呼ばれ、治験の目的、デザイン、方法等について記述した文書。治験を実施するにあたって、医療機関及び製薬企業等が遵守しなければならない要件事項を記載した実施計画書である。
治験審査委員会(IRB:Institutional Review Board)
医療機関の長、治験責任医師及び製薬企業等から独立した医学・薬学等の専門家及びそれ以外の者によって構成される委員会。当委員会の責務は、治験実施計画書や被験者から文書によるインフォームド・コンセントを取得するための手法及び資料等を審査し、被験者の人権、安全及び福祉の保護を確保することである。
治験責任医師
医療機関において、治験の実施に関して責任を有し、治験に係る業務を統括する医師または歯科医師。
データマネジメント(DM)
治験及び臨床試験で回収された症例報告書(CRF)のデータを入力し、チェック、修正し、データに問題があれば、モニターに調べなおさせるといった、症例データを管理する業務のこと。
独立データモニタリング委員会(IDMC))
臨床試験の進行状況、安全性データ及び重要な有効性評価項目を何回かにわたって評価するとともに、治験依頼者に試験の継続、修正、又は中止を勧告するために、治験依頼者が必要に応じて設立する委員会。
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は-ほ
被験者
治験に参加し、治験薬を投与される者またはその対象となる者。
標準業務手順書(SOP:Standard Operating Procedures)
治験に係る業務を均質に遂行するための手順を詳細に記述した文書。
非臨床試験
動物を用いて安全性、有効性等を検討するための試験。前臨床試験ともいう。
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ま-も
モニター
→ CRA
モニタリング
製薬企業等により指名されたモニター(CRA:Clinical Research Associate)が、治験の進行状況を調査し、治験がGCP、治験実施計画書、標準業務手順書等に従って実施、記録及び報告されていることを保証する活動。
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や-わ
薬剤割付
盲検試験等において、キーコードの作成及びキーコードに基づいた治験薬への割付作業、エマージェンシーキーの作成を行うと共に、試験終了までキーコードを保管し、盲験性を維持する。
臨床試験(治験)
医薬品開発のプロセスにおいて、人を対象として、薬の安全性や有効性を確認するための試験。特に、臨床試験のうち、医薬品の製造(輸入)承認または承認事項の一部変更承認を申請する際に提出すべき資料の収集を目的として実施される試験を治験という。
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A・B・C・D
CIOMS(Council for International Organizations of Medical Sciences)
医学に関する国際機関連絡協議会。
WHOとユネスコをスポンサーとして創設された協議会で、医学分野の国際組織を会員として、医学関係の国際会議開催の支援、医学要項の標準化を行っている。
CRA(Clinical Research Associate)
治験モニタリング担当者の略称です。医薬品開発において、治験依頼者により任命され、モニタリング(治験実施施設において、治験が実施計画書等を遵守し、適正に行われているかどうかを監視、確認すること)を担当する者。
CRC(Clinical Research Coordinator)
CRF(Case Report Form)
→ 症例報告書
CRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)
医薬品の開発において、製薬企業等の治験に係わる業務の一部を受託または代行する個人または組織・団体。主な業務内容として、治験のモニタリング・監査、データマネジメント・統計解析等がある。
CSO(Contract Sales Organization)
製薬企業に代り、営業・マーケティング業務(MR業務)を受託または代行する個人または組織・団体で、MR(医薬情報担当者)が医療機関に対し医薬品の効能・効果・副作用情報等の適正使用情報を提供・収集する。
CTD(Common Technical Document)
コモン・テクニカル・ドキュメント。
ICHで合意された、日米EU3極共通の医薬品承認申請様式で、共通の承認申請データ項目の配列表及びデータ概要のこと。
DM(Data Management)
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E・F・G・H
EBM(Evidence-Based Medicine)
個々の医師の裁量など「経験に基づく医療(Experience-Based Medicine)」から脱却し、臨床研究などの科学的データをもとに「科学的根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine)」を行うという意味。
EDC(Electronic Data Capturing)
治験データの電子化システムで、電子的臨床検査情報収集システムの略語。
治験医師、あるいは、治験スタッフがパソコンで症例データを入力し、そのデータをインターネットあるいは専用回線経由で取得。欠損チェック、整合性チェックなどのデータチェック、データ管理を行う。
FDA(Food and Drug Administration)
米国食品医薬品局。
米国の食品及び医薬品の行政を行う連邦機関であり、世界最大かつ最高水準の医薬品審査体制を誇る。
GCP (Good Clinical Practice)
平成9年厚生省令第28号「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」。
治験が倫理的な配慮のもとに科学的に適正に実施されるための基準である。平成15年6月に改正がなされている。
GLP(Good Laboratory Practice)
医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準。非臨床試験の動物における安全性試験データの質の信頼性を確保するため、動物実験などの作業の標準化、記録、監査体制、機械、施設などを規定したもの。
GMP(Good Manufacturing Practice)
医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準のことで、医薬品の製造工程の各段階で良質な医薬品を製造するために、医薬品の製造業者が遵守するべき規則。
GPSP(Good Post-marketing Study Practice)
医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準のことで、再審査及び再評価に規定する基準のうち、製造販売後の使用成績等の調査及び試験の実施に関する基準を定めたもの。
GQP(Good Quality Practice)
医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準に関する省令。
製造販売(原薬除く)に当たり、出荷の管理、製造業務を行う者に対する管理監督、品質管理に対して必要な業務等について規定している。
GVP(Good Vigilance Practice)
医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準に関する省令。
製造販売に当たり、安全管理情報の収集、検討、安全確保措置の実施等について規定している。
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I・J・K・L
ICH(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)
「日米EU医薬品規制整合化国際会議」または「日米EU医薬品ハーモナイゼーション国際会議」と呼ばれ、日・米・EUの3極間で、新医薬品の製造(輸入)承認に際して要求される資料を調和(共通化)することによって、医薬品開発の迅速化・効率化を目指す会議のこと。
ICHの会議によって協議・合意決定された取り決め事項は「ICHガイドライン」と呼ばれている。
IDMC(Independent Data Monitoring Committee)
IRB(Institutional Review Board)
→ 治験審査委員会
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M・N・O・P
MedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities Terminology)
医薬品に関連する国際間の情報交換を迅速かつ的確に行うために、ICHで作成された医薬品規制用語集。
MR(Medical Representative)
医療機関に対し、医薬品の品質、有効性、安全性といった適正使用情報を収集、提供することを主な業務として行う者。
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Q・R・S・T
QA
品質保証。
監査担当者が治験の実施、データ作成・報告が治験実施計画書及びGCPを遵守して実行されていることを保証するために設定された、計画的かつ体系的な全活動のこと。
QC
品質管理。
治験の質に求められる用件を充足していることを検証するために、治験の品質保証システム(Quality Assurance System)の一環として行われる実務的な手法及び活動。QCは治験に関わる全スタッフの責務である。
SDV
直接閲覧、原資料との照合・検証のこと。
原資料を直接閲覧により照合し、症例報告書との一致性を確認し、治験の適切な実施及びデータの信頼性等を検証すること。
SMO
特定の医療機関(治験実施施設)と契約し、その施設に限定して治験業務を支援する機関(通常は企業のこと)です。CRO(医薬品開発業務受託機関)と異なり、医療機関(治験実施施設)側の立場で業務を行うのが特徴で、医療機関の治験業務を支援する企業と言えます。
SOP(Standard Operating Procedures)
→ 標準業務手順書
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