ボストンで開催された「9th International Conference on Vaccines Research & Development」においてEPSグループの舌下ワクチン研究成果3題を発表

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 11月11から13日まで、ボストンで開催された「9th International Conference on Vaccines Research & Development」において、EPSグループが取り組む舌下ワクチンの有効性及び安全性に関する研究成果を3演題発表いたしました。
 EPSグループでは、アレルギーと分泌型免疫グロブリンA(sIgA)の関係について、長年にわたり研究・調査を行ってきました。これらの研究を通じて、sIgAがアレルギー性疾患のみならず、上気道感染症など粘膜を介した感染症に関連する可能性が示唆される結果を得ました。ただし、現時点ではその有効性について確定的な結論は得られておらず、sIgAの有効性と安全性について臨床研究を実施しております。
 現在、EPSグループでは、上気道感染症の予防において重要な役割を果たす粘膜上の抗原特異的sIgAを高濃度で誘導することができるワクチンの舌下投与に着目し、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症を予防するための舌下ワクチンの研究開発を進めています。舌下ワクチンは、医療環境が整っていない地域でも場所を選ばず使用でき、自身でも服用可能といった特長があります。これらの観点から、舌下ワクチンは、現在の筋肉・皮下投与や経鼻投与に代わる次世代のワクチンとして期待できると考えています。
 今回の「9th International Conference on Vaccines Research & Development」における研究成果の発表を足がかりに、舌下ワクチンの開発を促進させていきます。
 本研究開発をはじめとする先進的な取り組みを通じて、人々の健康的な生活とよりよい社会づくりの実現に貢献することが私たちEPSグループの願いです。

■発表内容1(口演)
<原題>
Development of Sublingual Vaccine Formulated with RBD or HA Antigen and Poly(I:C)Adjuvant in Nonhuman Primate, Cynomolgus Macaques
<タイトル>
非ヒト霊長類カニクイザルにおける RBD または HA 抗原とPoly(I:C)アジュバント配合舌下ワクチンの開発
<発表者>
株式会社アイテックラボ R&Dセンター長 中村 伸
<研究概要>
新型コロナウイルスのスパイクタンパク受容体結合ドメイン(RBD)およびインフルエンザ抗原(HA抗原)に対して、Poly(I:C)アジュバントを用いた舌下ワクチンの有効性および安全性について、非ヒト霊長類であるカニクイザルを対象に検証試験を実施しました。試験の結果では、唾液や鼻洗浄液中に両ウイルスに対する抗原特異的IgAが生成され、さらに血液中にもIgAおよびIgGが誘導され、舌下ワクチンの有効性が確認されました。また、N-acetyl cysteine(NAC)を用いてムチン層を分解したしたことにより、粘膜免疫反応を示されました。安全性についても、Poly(I:C)アジュバントを含むワクチンは問題なく、免疫応答のバランスを保つ新しいメカニズムが示されました。さらに、インフルエンザウイルスに対するPoly(I:C)アジュバントを用いたワクチンの舌下投与と鼻腔投与について、ニホンザルおよびマウスを対象に安全性を比較した結果、舌下投与はニホンザルにおいて鼻腔投与に比べて炎症性副作用が少ないことが示され、マウスにおいても同様の傾向が確認されました。この結果により、舌下投与によるPoly(I:C)アジュバントワクチンは霊長類およびマウスにおいて安全であることが示唆されました。
◆研究成果の詳細は こちら

株式会社アイテックラボ R&Dセンター長 中村 伸
Vaccines R&D - United Scientific Group
■発表内容2(ポスター)
<原題>
Preclinical Studies on Sublingual Vaccine Using Poly(I:C)Adjuvant in Nonhuman Primate, Cynomolgus Macaque
<タイトル>
Poly(I:C)アジュバントを用いた舌下ワクチンに関する非ヒト霊長類カニクイザルにおける前臨床研究
<発表者>
EPS創薬株式会社 田島 一基
◆研究成果の詳細は こちら
EPS創薬株式会社 田島 一基
■発表内容3(ポスター)
<原題>
Safety Assessment of Sublingual Vaccine Using Poly(I:C) Adjuvant:Comparison with Nasal Vaccine in Cynomolgus Macaques and Mouse
<タイトル>
Poly(I:C)アジュバントを用いた舌下ワクチンの安全性評価 カニクイザルおよびマウスにおける経鼻ワクチンとの比較
<発表者>
EPS創薬株式会社 執行役員 小谷 篤史
◆研究成果の詳細は こちら
 

EPS創薬株式会社 執行役員 小谷 篤史
■公式サイト
▶9th International Conference on Vaccines Research & Development(公式Webサイト)は こちら
▶EPS創薬株式会社(公式Webサイト)は こちら 
▶EPSホールディングス株式会社(公式Webサイト) EPSの研究開発パイプライン 分泌型免疫グロブリンA(sIgA)は こちら
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