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2023/10/01
患者さんに1秒でも速くお薬を! 「EP-Judge®」が薬の流通を迅速化
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2024/04/01
今、我が国の医療分野では、患者さんやご家族の経験や思いを積極的に将来の治療や研究開発に活かすことを目的とした、「患者参画」の取り組みが始まっています。この流れに先駆け、EPSグループのCRO(医薬品開発業務受託機関)であるイーピーエス株式会社では、治験における患者参画支援ソリューション「Voicebook」を開発。2022年10月からサービスを開始しました。2023年9月には、SMO(治験施設支援機関)である株式会社EP綜合と協働し、新たに3つのサービスを追加。そして11月には、治験から市販後安全対策に関するすべてのステークホルダーのニーズに応えるべく、「患者参画推進室」を新設し、患者さん視点を取り入れた医薬品開発に貢献しています。
現在、「Voicebook」が展開するソリューションは4つ。「患者アンケートサービス」および「患者インタビューサービス」は、治験に参加した感想や検査頻度、同意説明文書の分かりやすさや、治験に限らず医薬品等に関わるさまざまな患者さんの意見を掬いあげるもの。アンケートでは定量的な調査を、インタビューではより掘り下げた定性的な調査を行います。「PLS作成サービス」は、治験結果などについて患者さんだけでなくご家族にとっても分かりやすい資料を作成するサービス。「患者参画コーディネーター資材レビューサービス」は、患者さんの使用する資材が分かりやすいかを、患者参画の専門職である患者参画コーディネーターが確認し、コメントするサービスです。この4つのサービスにより、製薬企業は患者さんのニーズをより深く理解し、まずは治験結果を知るところから、「患者参画」の環境づくりをサポートします。
基本的に医薬品は「医師の処方で適切に使用する」ことが大前提となる製品です。このため、ユーザーの声を製品開発に取り入れることは、これまであまり行われてきませんでした。近年、イギリス、アメリカなどでは、医療分野の研究開発への患者参画が重視されるようになりましたが、業界の多くが必要性は感じながらも、思うように進まないのが現状でした。そこで求められていたサービスが、「Voicebook」です。
「Voicebook」は、CROとSMOが一体化してサービスを提供するため、企画から患者さんの選定、アンケートやインタビューの実施、レポート作成までのトータルなサポートが可能です。また、患者さんの声を製薬企業に伝え、製薬企業から患者さんへの情報を分かりやすく伝えるという双方向のサービスで、患者さんと製薬会社の架け橋の役割も担います。グループ力を活かして患者参画の推進力となり、製薬企業をサポートすることで、医薬品開発の「あるべき姿」を目指していきます。
「Voicebook」は、今後も順次サービスを拡充し、ソリューション領域も拡大する予定。日本では、医師や薬剤師に自分の意見を伝えることに躊躇する患者さんがまだ少なくありません。こうした日本人の気質に配慮しつつ、患者さんと医療従事者がスムーズにコミュニケーションできる環境づくりにもつなげたいと考えています。
イーピーエス株式会社
企画推進本部 経営企画センター 患者参画推進室
佐藤 美咲(左) 岩田 未来(右)
Voicebookプロジェクトを担当した両名。ほか、延べ11名のメンバーで本サービスを開発した。本格的な開発開始から最初のリリースまでは、約1年。今後も、製薬業界の患者参画をさらに推進し、健康産業の発展に寄与するため、新サービスの拡充に努める。
【イーピーエス株式会社】https://www.eps.co.jp/